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【図解】【危険:レバレッジ投資の罠】SPXL、TECL、SOXLに長期投資をしてはいけない2つの理由

 

「レバレッジ運用をする際の具体的な危険性(リスク)とは何か?」

「SPXL・TECL・SOXLといったレバレッジETFに長期投資を考えているけど、本当に大丈夫かな。。」

 

皆さま、お疲れ様です!ぴの(ぴの 【公式】@インデックス怪獣 (@indexpino) | Twitter)です🐤

今回は、レバレッジ型ETFは高いリターンをこれまでにもたらしてきたこともあり、魅力的なファンドの一つと考える方も多いと思います。

一方で、レバレッジをかけることにより生じるリスクは当然大きいです。

今回はレバレッジ活用に関して、見落としがちな2つの大きなリスク(落とし穴)について、紹介いたします。

そのリスクというのは①暴落に対して極めて脆弱であること、②予期しない倍率変更により生じる絶対的な損失を受ける可能性があることです。

①に関しては簡単なモデルを用いて、レバレッジリスクについて紹介し、また②に関しては過去の事例を踏まえながら説明したいと思います。

レバレッジの活用を考えている方は、ぜひこの記事でレバレッジのリスクを知り、より良い投資判断につなげてください。

 

目次

 

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①レバレッジの危険性:暴落に対する脆弱性

ボックス相場におけるレバレッジ資産の値動きと本当のリスク

レバレッジはレンジ相場(ボックス相場)(ある値段の範囲で上下する相場)に弱いという話を聞いたことがある方は多いと思います。

ボックス相場におけるブル資産の値動き(2倍レバレッジ、3倍レバレッジ)

上の図では当初10000円を投資していた際に、基準価格が11000、10000、9000、10000円と推移した時に、レバレッジをかけた際の値動きを示しています。

レバレッジをかけた際には最終的なパフォーマンスが悪化していることがお判りいただけます。レバレッジがレンジ相場に弱いというのはこのためです。

しかしながら、この認識のみではレバレッジのリスクを理解するうえでは不十分だといえます。

本当のレバレッジのリスクは、暴落に対してきわめて脆弱である点と私は考えます。

 

 

レバレッジ投資の危険性を検証:価格変動シミュレーション

注目すべき点は、値下がりが起こったあと、リカバーしていく段階です。実際の例を見ていきましょう。

 

:基準価格が10000円から1000円(10%)下落し、9000円になったあと10000円に回復する様子を見ていきましょう。

この時、2倍レバレッジでは8000円に、3倍レバレッジでは7000円に下落します。

■基準価格の場合

 9000円から11.1%(約1000円)増加し、10000円になる。

■2倍レバレッジの場合

 8000円から2×11.1%(約1778円)増加し、9778円になる。

 元の価格に戻るためにさらにリターンが必要、、

■3倍レバレッジの場合 

 7000円から3×11.1%(約2333円)増加し、9333円になる。

 元の価格に戻るためにさらにリターンが必要、、

 

この例から「レバレッジをかけるほど、下落をカバーするために、より高いリターンが必要」ということが推測できると思います。

もう少し詳しく見ていきましょう。簡単なモデルとして、

レバレッジをn倍とした時に、x%の下落が生じた際に、どれほどの上昇(y%)が起こればその下落を取り戻せるのか、計算したものが下記のとおりです。

※気になる方のみご覧ください

f:id:Minimalist_PINO:20210114000250j:plain

 

 

これを図示したものを下に示します。 

ここでは上図の式で左辺=右辺となる線を記載しております。

レバレッジを聞かせた時に、生じた下落から立ち直るために必要なリターン
このグラフについて見てみましょう。(図の解釈に慣れていない方はこの項目は飛ばし、下の図を御覧ください。)

グラフを右から左に向かって見たとき、

下落率が-5%の時には、各倍率間でy座標に大きな変化はない一方で、

下落率-25%の時には、各倍率間でy座標に大きな開きがあります。

下落の大きさに比例して、指数的に乖離が生じていくことが確認できます。

このことは下落が大きいほど、立ち直るのに高いリターンが必要であることを示します。

 

具体的な点を見ると解釈が進むと思います。

基準価格のグレー線では(x,y)=(-25, 33.3…)の点を通っています。

これは10000円を投資していた時25%下落をして7500円になっても、

33.3%上昇すれば2500円増加し、10000円に戻ることを示します。

 

3倍レバレッジの赤線では(x,y)=(-25,100)の点を通っています。

これは10000円を投資していた時75%(25%×3)下落をして2500円になっても、

300%(100%×3)上昇すれば7500円増加し、10000円に戻ることを示します。

3倍レバレッジのケースでは、下落からの回復するのに高いリターンが必要であることがお判りいただけると思います。

 

 

具体的なレバレッジリスクのイメージ図

割合とレバレッジという、なれない計算で感覚がつかみにくいかもしれません。

下図はわかりやすいのではないでしょうか。

レバレッジのリスク:レバレッジを効かせると暴落後の回復に大きな時間がかかる

基準価格で25%下落した後では33.3%上昇すれば元の価格に戻れる一方で、このとき3倍レバレッジでは、いまだに50%の下落ダメージを受けております。

そこから回復するにはさらに100%上昇しなければならず、この時には基準価格はすでに33.3%下落前よりも価格は高くなっております。

つまりレバレッジ最大のリスクは、大幅な下落が起こった際に致命的なダメージを受けてしまうことです。

そのため、レンジ相場に弱いというレバレッジETFの弱点に加えて、下落に対する脆弱性という大きな弱点を認識しておくことが重要だと思います。

 

現実では値幅制限やサーキットブレーカーなどがあるため、一日で大幅な下落は起こるとは考えにくいですが、コロナ相場のように何度もブレーカーが作動することは、将来的には起こらないとは断言できません。(いや、きっと起こるのではないでしょうか。)

 

 

 

②レバレッジの危険性:倍率変更リスク

レバレッジ型ETFが抱える大きな危険性の二つ目が倍率変更です。

高レバレッジ型ETFはそのリスクの高さから、証券取引委員会(SEC)から指導が入ることがあります。

これにより、高レバレッジ資産はその倍率を下げなければならないことが起こりえます。

この倍率変更がタイミングが悪く行われると、投資家には大きな損失が生じます。これがレバレッジを活用している人が見落としやすい大きなリスクです。

過去の事例を踏まえながら紹介していきます。

 

 

過去事例:エネルギーブル3倍(ERX)の倍率変更

ERXは当初、米国のエネルギー銘柄に投資をする3倍のレバレッジファンドであった一方で、2020年4月1日からそのレバレッジ比率は2倍に変更されました。

ご存じの通り、2020年はコロナショックのあった年であり、最悪のタイミングでの倍率変更でした。

この時の実際の株価チャートが下のものになります。

 

ERXの倍率変更が投資リターンに与えた影響
青:ERX、橙:VDE(米国エネルギーETF(非レバレッジ))

 

ご覧の通り、2020年のコロナショックの影響でERXは大きな打撃を受けています。ERXの打撃をよそに、非レバレッジ型のエネルギーETF(VDE)は現在の時点で、およそコロナ前の水準にまで回復しようとしています。

ERXは大きな打撃を受けた理由は、上で紹介した暴落に対する脆弱性に加えて、2020年4月1日までは3倍の速さで暴落し、4月1日以降は2倍の速さでしか回復できなかったためであるといえます。

2019年のタイミングでERXに投資をしていた場合、現在-90%の損失を受けているうえに、今後も2倍の速さでしか回復ができないために、元の水準に回復するには途方もない時間が必要であることが推測できます。

倍率変更が極めて恐ろしいリスクであることをERXの事例は物語っています。

 

 

2020年に倍率変更が生じたファンド例

このような倍率変更はERXに限った話ではありません。下のリストは全てその倍率が変更されているETFです。


■2020年4月1日

・ERY(エネルギーベア):3倍→ 2倍

・RUSL(ロシア):3倍→ 2倍

・NUGT(金鉱株):3倍→ 2倍

・DUST(金鉱株ベア):3倍→ 2倍

 

■2020年10月29日

・INDL(インド):3倍→ 2倍

・UBOT(ロボ・AI・オートメーション):3倍→ 2倍

 

上の例で挙げるように、レバレッジ比率の変更というのは2020年に限定しても、たびたび起こっているため、決して珍しいケースではないと言えます。

そしてERXの例でみたように、レバレッジ倍率の変更が最悪のタイミングで起こることもあります。

倍率変更は長期投資家にとっては無視することができない、極めて大きなリスクであると言えます。

 

以上から、暴落に対する脆弱性、そしてそれ以上に倍率変更が起こりうるという重大なリスクがあるために、高レバレッジETFへの長期投資は避けるのが良いと考えます。

 

 

 

 

レバレッジはリスクを知ったうえで活用すべき

レバレッジのリスクという否定的な意見を2つ記載いたしましたが、私はそのリスクを認識していれば有効に活用することもできると考えます。

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 例えば、上の図のレバレッジの値動きを見た時に、75%の下落が起こった時にレバレッジETFを購入すれば、最終的に+300%の大きなリターンに恵まれることはいうまでもありません。

 

  レバレッジETFは超ハイリスク超ハイリターン、という認識だけでなく、その具体的な危険性を知ることで大きなリターンを手にする機会が増えると思います。

 

 

まとめ

今回は一部の個人投資家から人気のレバレッジ型ファンドが抱えている大きな落とし穴として、①下落に対して極めて脆弱であること、②倍率変更による大きな損失の2つを紹介いたしました。

この危険性があるからこそ、レバレッジ型ファンドに主軸を置いた長期投資は避けるのが良いのではないでしょうか。

 

一方で、リスクを知っておけば、その危険性を避けながら高いリターンを得ることも不可能ではないと考えます。

そのため私は、長期インデックス投資をコア戦略としながら、リターンの増大のためにサテライト戦略として、タイミングや投資対象を絞ったレバレッジファンドの活用が良いのではないかと考えています。

詳細は以下の記事に記載いたします。

 

リスクを知ることは、安定的な長期投資の実行の上で不可欠であると思います。本記事がレバレッジの本当のリスクについて考えるきっかけとなれば嬉しく思います。

 

本記事が皆さまの良い投資につながりますように!

 

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