Index Lab. インデックスラボ

現役研究者による、長期投資家のための情報サイト




【必見】【eMAXIS Neoや流行銘柄に潜む成長の罠】魅力的な技術革新は低い投資リターンをもたらす

 

 皆さま、お疲れ様です!ぴの(ぴの @インデックス怪獣 (@indexpino) | Twitter)です🐤

 【成長の罠】は長期投資家にとって、最も警戒しなければならない落とし穴であるといっても過言ではありません。

 これは高い期待が寄せられる先端技術や流行の波に乗るような投資手法が、低いリターンをもたらすことを意味しています。直感的には理解しがたいその事実に関して、今回は過去の事例とその原因について紹介いたします。

※本記事の参考文献は最後に記載しています。とても参考になる書籍です。

※本記事のターゲットは長期投資家です。

 

目次

ジェレミーシーゲル教授が考える成長の罠 

初めに

 2021年2月現在、EVやウェアラブル、VR、クリーンエネルギーといったいくつかのセクターの株価水準は、市場平均を大きくアウトパフォームしています。これらのセクターが注目されている理由は、なんといっても大きく成長が期待される先端技術を有していることだと思います。そのため、下記の認識を持つ方は多いと思います。

技術革新により経済成長を牽引する企業への投資は高いリターンが得られる。

 残念ながら歴史が示す事実は異なります。技術革新は生活者にリターンをもたらす一方、投資家のリターンには繋がりません。「技術革新はすべからく投資家に大きな利益をもたらす」という誤認に対して、ペンシルベニア大学のジェレミーシーゲル教授は【成長の罠】という名前をつけました。

 これは、将来が期待される新興企業への集中投資が、何も考えずに市場平均に従って投資をするインデックス運用のパフォーマンスを下回ることを意味しています。

 

成長の罠の事例

栄える金融産業と儲かるエネルギー銘柄

 シーゲル教授が統計をとった20世紀後半において、市場シェアを最も伸ばしたセクターは金融セクターでした。市場シェアは1957年の0.77%から2003年の20.6%へ、およそ27倍に急拡大し、最も栄えた産業といえます。その一方、市場シェアを落としたのはエネルギーセクターで、21.6%から5.8%に、およそ4分の1にシェアを落としました。このことから、産業の繁栄という観点では、金融セクターはエネルギーセクターを圧倒的にアウトパフォームしました。

 しかしながら、1957年から2003年にかけての47年間において、金融セクターの平均パフォーマンスは年率10.6%であったのに対して、エネルギーセクターではそれを超え、年率11.3%のパフォーマンスを示しました。仮に1957年に両セクターに1万円を投資した場合、金融セクターの場合、2003年には102万円になったのに対して、エネルギーセクターの場合は139万円となりました。シェアを落としたはずのエネルギーセクターは、金融セクターを約37万円アウトパフォームしました。

 高い成長が低いリターンをもたらす例は、セクター間ではなく、国家間でも見られています。

 

繫栄する中国とリターンをもたらすブラジル

 中国とブラジルのGDP増加率に関して過去のデータを見てみましょう。1992年から2003年の間でGDPの成長率は、累積ベースで中国は166%に対して、ブラジルは22%しか成長しませんでした。一方で、それらの国に投資をした場合の運用成績は中国の場合は-68%のパフォーマンスであったのに対して、ブラジルの場合は+378%のリターンをもたらし、圧倒的な差があります。この結果は、高い経済成長をもたらした国に投資をしても、そのリターンは高くなるわけではないことを示します。 

 

 成長の罠の本質:高すぎる期待

リターンの本質

 投資のリターンが、企業や国家の成長により決まるのでなければ何で決まるのか。その答えは下記のとおりです。(シーゲル教授の著書より原文引用)

投資のリターンは成長率そのものではなく、実際の成長率と投資家の期待の格差で決まる。

 新しい技術や産業が社会をどれだけ変えるか、どの程度大きな規模に拡大するのかは全く重要ではありません。投資先を選ぶ上での重要事項は、その会社が利益を生み出し、そしてそれを維持する能力です。技術がどれだけ革新的なのかという尺度は、投資対象選定の段階では全く問題ではありません。投資家にリターンをもたらすかどうかに関して最も大切な点は、収益が投資家の期待を超えられるかどうかです。

  先の中国とブラジルの例では、中国は高い経済成長を期待されていましたが、それに応えられなかったために低いパフォーマンスを示しました。その一方で、ブラジルに寄せられた期待はそれほど高くなかったため、期待以上の成長を実現することができました。その結果、ブラジルに出資した投資家には高いリターンがもたらされる結果となりました。

 

高まる期待と低下するリターン 

 現在の相場を見てみると、次世代を担うと思わせるようなセクターの多くは、高い期待を受け、すでにかなり高い水準にまで株価が上昇しています。既に値上がりしているという事実は、この先の値上がり余地の低下に直結します。つまり、高まる期待がもたらす値上がり自体が将来のリターンを押し下げる原因となります。もう一度大切な概念なので繰り返します。

株式のリターンは成長率そのものではなく、実際の成長率と投資家の期待の格差で決まります。

 大いに期待されている企業は、その期待を超える利益を出して初めて、高いリターンを投資家にもたらします。一方で、期待が小さい会社はその期待を超えることで、高いリターンを投資家にもたらします。注目され熱狂に沸くセクターでは割高な銘柄を購入するリスクが極めて高く、その代償は高くつきます。

 

生活者のリターンと投資家のリターン

 歴史の中では、これまで数えきれないほどの技術が生み出され、生活は豊かになりました。アメリカの産業史では19世紀に発明された鉄道に始まり、電話やテレビ、インターネットは生活者に多大な利益をもたらしました。しかしながら、これらの関連銘柄のほとんどは初期の段階で極めて高い水準まで値上がりしたのち、バブルははじけました。その結果、初期に話題に乗っかって資金を投じた投資家はリターンを得るどころか大きな損失を受けました。

 革新的な技術で、この先世界を変える産業になるという期待は生活者としてはとてもワクワクすると思います。一方で、投資家としてはその熱狂そのものがリターンの低下につながりうることを認識する必要があると私は考えます。

 

 まとめ

 現在、いくつかのセクターではすでに高すぎる期待が寄せられ、既に著しい高値を記録しています。投資信託などでも技術革新をテーマにうたった銘柄などは多く見受けます。これらに投資をするのであれば、成長の罠という事実を考慮したうえで、今まさに寄せられる圧倒的な期待を超える収益を長期で維持できるのかに注目すべきだと思います。

 ファンドの中には、ここ1年で〇〇%伸ばしてきたというデータを大々的に示しているものもありますが、それは将来のリターンを意味するものでは断じてありません。私はこのデータは寧ろその逆、既に高い期待が寄せられ値上がりしてしまっていることを示していると考えるべきだと思います。高すぎる期待に応え続けるような収益を長期で出し続けることは容易なことではありません。もしも長期投資を考えるなら、今回の記事で紹介した成長の罠にはまらない慎重な投資判断が必要ではないでしょうか。

今回の記事が皆さまの良い長期投資につながれば幸いです😊

 

 

✨参考文献✨

『株式投資の未来』ジェレミーシーゲル著:

歴史上、最もパフォーマンスの良かった銘柄は世界の産業をけん引したハイテク銘柄ではなく、タバコ会社フィリップモリスであることを証明。成長の罠の存在を報告し、株式投資における配当の重要性を力説しています。莫大な過去のデータを紐解き、長期投資で勝利するためのポイントを明快に説明しています。私のお気に入りの一冊で、近日中にもういちど読み返します!

楽天市場

 

■■■■■■■■■■■■■■■■

Index Pino  ぴの @インデックス怪獣 (@indexpino) | Twitter

ブログ村に参加しております!ぽちっと1票いただけると嬉しいです🐤

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 投資ブログへ

投資はご自身のご決断で!

■■■■■■■■■■■■■■■■