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【株式は債券よりハイリスクは嘘】【図解】投資のリスクは運用期間が決める!

 

投資対象を保有する期間、すなわち「持続力」が、
投資に伴う実際のリスクに関して重要な役割を果たす。

 

 皆さま、お疲れ様です!ぴの(ぴの @インデックス怪獣 (@indexpino) | Twitter)です🐤

 『ウォール街のランダムウォーカー』(バートンマルキール著)の私のお気に入りのフレーズから入りました。投資においてリスクとはリターンの変動度合いを意味しており、株式はハイリスクで、債券はローリスクというのが教科書的な説明です。しかしながら、長期投資を成功させるためには、この認識だけでは不十分と言えます。なぜなら、投資リスクは運用期間に依存して変化するためです。

 本日はこの時間とリスクの関係について、文献のデータを参考にしながら紹介していきます。本記事の最後に今回の参考文献を紹介いたします。

 

【結論】

・リスクは運用期間によって変化する

・長期運用はリスクを低減する

・株式への超長期投資は安定したハイリターンをもたらす

 

目次

 

リスクは運用期間により変化する

 リスクとリターンの関係と言われて真っ先に思い浮かぶのは下の図ではないでしょうか。この図がどのようにして導き出されるかは、以前の記事で紹介いたしました。

各資産(株式・債券・預金)のリスクとリターンの関係

 この図は債券への投資は預金よりもリスクが高く、リターンも高いこと。そして、株式への投資は債券への投資よりもリスクが高く、リターンも高いことを示しています。

 上図はもちろん正しい図ですが、投資において重要な要素「時間」を加味していません。投資では時間の要素は極めて重要な役割を果たし、どれくらいの期間運用をするかによって、実はリスクは大きく変化します。

 実際の例を見ていきましょう。下図では、過去のS&P500のパフォーマンスをもとに、運用期間ごとのリターンのばらつきを示しています。

運用期間ごとのS&P500への投資リターンとそのばらつき

 この図では、投資期間を1,5,10,15,20年とした際のリターンのブレをグレーで、平均リターンを×印で示しております。(例えば投資期間が1年の場合にはリターンは-37%から53%の間で、平均すると10%であることを示しています。)

 投資におけるリスクとは、リターンの標準偏差、つまりどのくらいリターンがばらついてしまうかという程度を示します。つまり上の図のグレーの線の長さがリスクを反映したものであると言えます。上図を見ていただくと運用期間が1年の際にはリターンは-37から+53%まで、大きくばらつきます。一方で、運用期間を20年とすると、リターンのばらつきは+6.5%から17.9%までとばらつきが小さくなります。つまり、長期で運用するほど、リスクは低下することがこのデータから判断できます。

 

長期投資により株式投資のリスクは低減できる

 運用期間によるリスクとリターンの変化はジェレミーシーゲル著の『株式投資』においても取り上げられています。下の図はこの文献からの引用となります。

保有期間別のリスクとリターンの関係:長期投資をするほど投資リスクは低減する

 この図では、運用期間ごとの株式と債券のリスクとリターンを示しています。図を見ていただくと、1年の株式投資ではリターンは約8%と高い一方で、リスクも約18%とかなり高いです。一方で、債券に1年投資した場合には株式よりもリターンは低いですが、リスクも低いです。つまり株式への1年の投資はかなりハイリスクハイリターンと言えます。

 しかしながら、運用期間を30年設けると、株式投資であってもそのリターンは高い状態を保ったまま、リスクを大きく低減できることが上の図からわかります。つまり、運用期間を長期で儲ければ設けるほど、高いリターンを維持しながら、リスクを低減できることを本データは示しています。これは長期で運用をするほど平均回帰の影響が強く起こるために、平均リターンは変化しない一方で、ばらつきの影響を低減できるためだと解釈できます。

 大変興味深いことに、1年の運用期間では株式のリスクは債券のリスクを大きく上回っている一方で、30年の運用期間を設けた場合には、株式のリスクは債券のリスクを下回っています。このデータから、長期で運用を予定しているのであれば、株式を主軸に据えることにより、安定したハイリターンを得ることができると考えられます。

 

時間の影響を加味したリスクとリターンの関係

 最後に時間の影響を無視した、従来の各資産クラスのリスクとリターンの関係図を、シーゲル教授のデータに基づいて、改変していきたいと思います。

【従来のリスクとリターンの関係図】

各資産(株式・債券・預金)のリスクとリターンの関係

 

【時間の影響を加味したリスクとリターンの関係図】

運用期間に応じた、各資産(株式、債券、預金)のリターンとリスクの関係:長期投資は安定したハイリターンをもたらす

 上の図のポイントは、年率リターンは長期運用をしたとしても変化はしない*一方で、リスクについては長期運用をすることで低減することができることです。(*もちろん、長期運用により、複利の影響でトータルリターンは顕著に増加します。)

 「長期投資を予定しているのであれば、株式に対して投資をすることが正解である」と言われます。これは、株式投資はハイリスクハイリターンではあるが、そのリスクは長期の時間の効果で大きく低減できるためであると言えます。

 

まとめ

 今回の記事のポイントを下の図に示します。

投資のリスクは運用期間によって変化する:長期株式投資は安定したハイリターンをもたらす

 

 株式投資はハイリスクハイリターンと言われますが、リスクの程度はご自身が想定する運用期間に大きく依存します。もしも、積み立てNISAやIDECOなどを活用して長期での運用を考えているのであれば、株式への投資割合を増やすことで安定したハイリターンを得ることができると言えます。

 過去のデータに基づいて、投資リスクを正確に認識することは、自信をもった長期ホールドを可能にする握力強化に直結します。今後も投資家の皆様のお役に立てる情報を提供できるように継続的な学習に努めていきます。引き続き、本ブログをよろしくお願いいたします!

 今回の記事が皆さまの良い投資につながりますように。
 

✨今回の参考文献✨

 

 

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Index Pino  ぴの @インデックス怪獣 (@indexpino) | Twitter

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